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いつもの伊坂さんの物語と同様に。
伊坂ワールドです。
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/12/21
- メディア: 文庫
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【忘物】
リュックサック一つとアヒルの子が僕の所持品で、
僕は慌ただしい朝刊の作業現場にいた。
「まだ新聞届かないんです!」
怒りと催促の電話がかかってくる、
僕はここの人間じゃない、
たまたま居合わせているだけだ。
なのに何故か僕が謝っている。
はやく時間が過ぎれば逃げられるのに。
そして僕の通勤時間はきた。
急いで外に出ようとしたら笑点のテーマ曲。
ラジオ体操のテーマ曲じゃないんだな。
そうだここは劇場だった。
あの楽屋裏の長階段を昇れば・・ああ行き止まり。
ええい!トイレの窓を突き破れ。
ようやく外へ出て気付いたら…
アヒルの子をどこかへ置いてきてしまってた。
忘れ物係の人が潰さぬよう両腕に包んで届けてくれた。
(瀬田透:2003/03/02)