『「話して考える」と「書いて考える」』
これまでに読んできた氏の作品の印象には、読者に媚びない、
自身の想うところを率直に表現している
(書き言葉に則った率直さと、それゆえのわかりにくさ)
ような、部分があります。
本書内で引き合いにも出されていた、『魔の山』トーマス・マン
に似た心象風景を、読者のレベルまで降りずに心のままに書き記す、
といった感じです。
- 作者: 大江健三郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2004/10/05
- メディア: 単行本
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本書は講演集なので、書き言葉から話し言葉へ、
そして書籍化にあたって再度、書き言葉へまとめられており、
氏の著書の中ではずいぶん読みやすいものとなっています。
ご自身の考え方の根本をわかりやすく開示し、
これまで産みだしてきた作品の紐解きをされていたように
感じました。