『「話して考える」と「書いて考える」』

これまでに読んできた氏の作品の印象には、読者に媚びない、
自身の想うところを率直に表現している
(書き言葉に則った率直さと、それゆえのわかりにくさ)
ような、部分があります。


本書内で引き合いにも出されていた、『魔の山トーマス・マン
に似た心象風景を、読者のレベルまで降りずに心のままに書き記す、
といった感じです。


「話して考える」と「書いて考える」

「話して考える」と「書いて考える」


本書は講演集なので、書き言葉から話し言葉へ、
そして書籍化にあたって再度、書き言葉へまとめられており、
氏の著書の中ではずいぶん読みやすいものとなっています。


ご自身の考え方の根本をわかりやすく開示し、
これまで産みだしてきた作品の紐解きをされていたように
感じました。