うだうだ日記

わたの原なる人込みで
目が合った。
すぐに通りすぎ、人込みに紛れたが、私はもう一度彼を振り返った。
そしてまた、目が合った。
選択肢はひとつ。
やっぱりそうだよね?

瞬間、お互いにそう確認しあった。
何が「やっぱりそうだよね」なのかは分からない。


十島かけて漕ぎ出でぬとするあてもない私たちは
並んで歩き出した。
改めて見た彼の顔は、いかにも不細工だった。


第一印象のひらめく端整な顔立ちは消え去っていた。
‥その瞬間から世界は変わった。



人には告げよと言うけれども
展開はまるでフィルムの早送り‥
ベッドで最後の場面まできてしまった私は
「セックスじゃないのよ」と言った。
彼は怒るでもなく自分の性器を弄んでいた。


海人のつり船の上で見たそれには
小型のイソギンチャクが3つ生えていて、収縮したり膨張したりしていた。
それが奇妙かどうかはともかく私はただ、今はしたくなかった。