『2ちゃんねるはなぜ潰れないのか』

対談が載っています。先日読んだ羽生善治さんの対談集とは毛色が異なっていて、笑えました。羽生さんの対談もひろゆきさんの対談も、複数の方とお話されています。
羽生さんの場合、相手のフィールドや性格にあわせて、相手が調子に乗ってしまうくらい上手い相づちをうっていらしたんですね。相手のいわんとしているところを事前に察し誘導してあげて、その返答を全面的に肯定するといったような。それも、相手が変われば、相手の性格にあわせて自分の出方も変えるといったような。
結果的に、誰と対談しても、相手は気持ちよく自分の専門分野の話を滔々と語るわけです。ここが、羽生さんの対人能力のすごさです。

ひろゆきさんの場合、まぁ、相手が誰であろうと変わらないですね(笑)。相手が望むであろう扱い、相手が今まで受けてきたであろう扱いを、ひろゆきさんは踏襲しないといいますか・・。
とりあえず自分の考えを淡々と語りはするけども、相手の心情にまで気をつかうことはなく、かといって無碍にすることもないのですが。えらくマイペースです。対談中の、ひろゆきさんとその相手との温度差が笑えます。


2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書)

2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書)


堀江さんが逮捕されたのも大もとは同じだと思うのですが、この対談におけるひろゆきさんの態度もしかり、烏合の衆に流されないで飄々とクールに「いや、そんな楽観的未来はないでしょ」とか「これはおもしろそうだからやったらいいんじゃない」と、ルールの範囲内で正論をいわれてしまうと、周囲の偉い常識人はびくっとしてしまうのかもしれませんね。
こいつら、先達に対する愛想笑いとか媚びへつらいとかを気にする常識がないよ、と。伊達に技術のことも詳しそうだし、日本的なうだうだしたコミュニケーション気質も持ってないし気色の悪い世代だなぁと。

そんなのもあわせて、面白い本です。