『薬指の標本』(映画)
- 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
- 発売日: 2007/03/23
- メディア: DVD
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小川洋子さんの小説がフランスで映画化されました。
小川さんご本人もどこかでおっしゃっていたように、この映画の監督は、『薬指の標本』の世界の核をぐっと捉えて絵にしていました。
原作に無いストーリも加わっていたけれど、それが原作の世界と筋を邪魔していない。これはめずらしい例です。原作が小説や漫画であった場合、それが映画・ドラマ化されると、原作のファンにとっては「イメージと違う!」となるのが定石なんです。
たとえば、最近でいうと、『有閑倶楽部』のドラマ化とか、。あれはーー漫画の奥深さを再現できてないーー漫画のままのほうがずっとよかった、、。。。となります。読者が勝手に想像で補う部分も含めて、原作は偉大な存在です。
なのに、小川さんの、あのつかみどころのない小説のイメージを、原作まま実写で再現できているこの映画は、すごい。
フランス映画は、もともと説明不足でわかりにくいのがお家芸ではあるんだけど。私も、原作を読んでなかったら(予備知識が無かったら)、この映画を一回みただけでは意味不明だっただろうなぁ・・。