『生物と無生物のあいだ』

一般向けへ執筆する理系本著者の中でも特に、長期米国滞在経験者は、読者の食いつきよく書く方法が身に付くのかな。


というのは・・
米国のホームドラマは日本と比較にならないほどの長編が多いでしょう・・ドロドロごちゃごちゃしてて。なのに、だからこそなのか、かえって続きを観るよう導かれてしまう。
同様に、米国の自然観察系番組(分かりやすく言うと、さしずめNHK科学特集番組か)のような真面目コンテンツでさえ、リポーターはいかにしんどい中で撮影をこなして貴重な映像を記録できたか?を言いたいのかなってくらい、肝心の自然観察よりドラマ性が前面に出る編集になっている。
この本を読んでいて、そんなアメリカンなタッチを感じました。


まぁとにかく、理系の本なのに読ませ方がうまいです。難しいこと一辺倒でなく下世話な内容織り交ぜつつ・・という展開が。他人の噂話やら(ここでは他の学者の噂話やら性格についてなど)、エンタティメント多すぎ。


生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)


面白いと思った章タイトルは、“内部の内部は外部である”です。