『殉教』

殉教 (新潮文庫)

殉教 (新潮文庫)


買って10年ほど経っているので、紙が腐食されつつあります。
背中以外の、開きページの三辺は酸化し、
どのページも、陽にあたっていないのに日焼けしたようで赤茶け、いい色合い、
古本屋に忘れ去られてたみたいな風貌です。


このテラテラな文庫本の特殊な紙質とインクをもってしたら、
百年後もふつうに読書されるに耐えうるんだろうな。


それにしても文字の発明はすごいよなぁ。
抽象的なことを、こんな紙の上に再現できるんだもんなぁ。
紙は茶色くなろうとも内容は永遠に鮮明なんだもんなぁ。


○短編集です。三島の文章は、漢字と平仮名の割合、
 修辞のバランスが嫌味でなく、軽くなく重くなく、
 自分にはしっくりくる文体で好きです。

タイトル

・軽王子と衣通姫
・殉教
・獅子
・毒薬の社会的効用について
・急停車
・スタア
・三熊野詣
・孔雀
・仲間