お呼びでない訪問者(宗教)

また某日の訪問者。これもタイミング上、思い当たる節があったのでインターホンごしに来意を聞こうとした、ところ、麗しい女性の声。予想していた相手ではなかったのだが、いい感じの声だなと思った。しかしそれは最初の3秒だけだった。


語りはじめ一節で、宗教の勧誘だということはわかった。宗教だろうが浄水器だろうが、こちらも一度応対しはじめてしまった以上、相手の属性にはこだわらない。みんな暑い中、営業頑張っているのだ。


こういうお呼びでない訪問者の難点は、会話が成立しないところだ。「今、お時間よろしいですか」などと質問型でしゃべっておきながら、こちらの意見を聞こうともしない、すぐに自分の話をはじめる。この人は、私と有機的、建設的にうまくやっていこうという気があるのか。ないのか?


せめてものお愛想のあいづちを打つ隙すら与えず、彼女はインターホンごしによどみなくしゃべりつづける。しまいには、「では、朗読させていただきますね」と、自身が作詞したという尊い内容のポエムみたいなものを読みあげはじめた。


・・もういいや。素敵なポエムなんだけども・・。会話にならない・・。


せっかく敬意を払い紳士的にお断りしようと思っていたのに、彼女は、私の話は聞かない心づもりらしい。返事しなくてもずっと一人でしゃべってるし・・インターホンは放っておいて、パソコンで映画でも観てようっと。
朗読がいつまで続いていたのかわからないが、ふと思いだして2時間後にドアをあけると、彼女の姿はなかった。