弥陀の誓願不思議にたすけられまゐらせて、
往生をばとぐるなりと信じて念仏申さんと
おもひたつこころのおこるとき、
すなはち摂取不捨の利益にあづけしめたまふなり。
弥陀の本願には、老少・善悪のひとをえらばれず、
ただ信心を要とすとしるべし。
そのゆゑは、
罪悪深重・煩悩熾盛の衆生をたすけんがための願にまします。
しかれば、本願を信ぜんには、他の善も要にあらず、
念仏にまさるべき善なきゆゑに。
悪をもおそるべからず、
弥陀の本願をさまたぐるほどの悪なきゆゑにと云々。
参考文献:『浄土真宗聖典』教学伝道研究センター編纂 本願寺出版社刊