2007-09-16 歎異抄(四) 慈悲に聖道・浄土のかはりめあり。 聖道の慈悲といふは、ものをあはれみ、 かなしみ、はぐくむなり。 しかれども、おもふがごとくたすけとぐること、 きはめてありがたし。 浄土の慈悲といふは、念仏して、いそぎ仏に成りて、 大慈大悲心をもつて、 おもふがごとく衆生を利益するをいふべきなり。 今生に、いかにいとほし不便とおもふとも、 存知のごとくたすけがたければ、この慈悲始終なし。 しかれば、念仏申すのみぞ、 すゑとほりたる大慈大悲心にて候ふべきと云々。 参考文献:『浄土真宗聖典』教学伝道研究センター編纂 本願寺出版社刊