2007-09-17 歎異抄(五) 親鸞は父母の教養のためとて、 一返にても念仏申したること、いまだ候はず。 そのゆゑは、 一切の有情はみなもつて世々生々の父母・兄弟なり。 いづれもいづれも、 この順次生に仏に成りてたすけ候ふべきなり。 わがちからにてはげむ善にても候はばこそ、 念仏を回向して父母をもたすけ候はめ。 ただ自力をすてて、いそぎ浄土のさとりをひらきなば、 六道四生のあひだ、いづれの業苦にしづめりとも、 神通方便をもつて、まづ有縁を度すべきなりと云々。 参考文献:『浄土真宗聖典』教学伝道研究センター編纂 本願寺出版社刊