『さまよう刃』

さまよう刃 (角川文庫)

スポーツ新聞に載るような野次馬事件、不可解な異常行動をとる若者を華々しくとりあげ時世を憂う、お昼3時ニュースの断片を継ぎ合わせた映像を、一緒くたに観終わったような読後感。

倫理観なども問われるストーリだけれど、何より今の世相をありのままに記したという点で、2000年代初頭日本社会問題の記録の一部として、貴重な資料となりそうな本です。

この本の主人公は、人間的な魅力・誠実さ度合いでいうと、『容疑者Xの献身』の主人公に似てました。