『虐げられた人びと』

ドストエフスキーの人間観察は率直で切り込みが深いですね。


虐げられた人びと (新潮文庫)

虐げられた人びと (新潮文庫)


感情。情感。心の動きといった、表現しにくいニュアンスの変化を、精妙に描写しています。
登場人物の表情の変化の具合や行動の奇妙さ、発言を文字にして、その人間の心の動きを克明に著してあるのです。


本書はドストエフスキー十八番の長編ではなく、中篇なので気軽に読めました。とはいえ1ヶ月かかりましたが・・。
小笠原豊樹氏の訳もすばらしく、読みやすいです。


名言集を創刊できそうなくらい濃いフレーズが詰まっています。